一般社団法人 日本肝胆膵外科学会

高度技能専門医

高度技能専門医申請における注意事項(書類編)

更新日時:2023年11月20日

ビデオ編

参考手術記録

この手術記録はあくまで一例であり、この手本通りの記載が必要という訳ではなく、書類審査はあくまで委員会の判断で行われます。

肝臓

肝臓2

膵臓

膵臓2

注意事項

  1. 高度技能専門医申請に必要な高難度肝胆膵外科手術実績の有効期間について
    高度技能医修練施設認定が開始されたのは2008年6月1日ですので、2008年5月31日以前の症例は手術実績としてカウントされません。手術実績として申請する症例は、必ず2008年6月1日以降の修練期間開始後に施行した症例を提出してください。また、手術に参加する指導医についても認定期間内である必要がありますので、認定日および失効日に注意してください。なお、高度技能専門医申請のための修練期間中は、修練施設に常勤している必要があります。
     
  2. 参加登録画面および申請書類への修練歴の記載方法について
    修練期間、修練施設名および期間をすべて記載してください。
    ただし、指導医欄へ記載する指導医は1名のみで問題ありませんが、1名しかいない指導医が異動などの理由により変更となっている場合は、修練施設1、修練施設2に分けて入力をしてください。
     
  3. 高難度肝胆膵外科手術について
    高度技能専門医申請に使用できる症例は、原則として細則第8条1)に規定されている高難度肝胆膵外科手術のみです。
    上記以外に、高難度と思われる症例がある場合は審査時に判断しますので、高難度であることが証明可能な手術記録(写)と共に提出してください。
    なお、レシピエント手術については、血管再建のみ行った場合は高難度肝胆膵外科手術とは認めず、主体的に全ての工程を行った手術のみ高難度肝胆膵外科手術として認めます。また、肝移植ドナーの肝切除については、脳死ドナーの場合でも、主体的に行っていれば認めることとします。
     
  4. 肝亜区域切除症例を提出する場合の注意点
    手術所見・手術スケッチ・切除後の術中写真などから、肝亜区域切除として認められない症例が存在します。肝亜区域切除の場合以下の点に注意してください。
    • 亜区域グリソン枝を(あるいはグリソン枝穿刺染色)処理後に、亜区域に相当する阻血(または染色)領域を切除したことがわかる手術所見・スケッチ・切除後の術中写真をつけて下さい。
    ※肝亜区域切除の定義については、現在学会内で再検討中です。
    詳細については、決定次第通知しますので、学会からの案内に注意してください。

     
  5. 手術記録(写)提出に関する注意点
    1)手術記録(写)は各施設のカルテに記録された手術記録のコピーを提出してください。手術記録の内容を変更する場合は、その施設が認める方法にてカルテを変更し、そのコピーを提出してください。その場合、必ず変更内容がわかる方法で手術記録を修正、提出してください。なお、変更箇所をカルテに含めることができない場合は、個人保管のスケッチを、昨年申請したカルテに追加して提出してください。また、1度目の書類審査で症例として認められなかったと思われる症例についても2度目以降の申請で削除せず、再度提出してください。
    手術記録(写)に病院名が記載されていなかったり、Word形式で提出されたりしている場合にはサイトビジットの対象となる場合があります。

    2)術者として申請する症例の手術記録(写)には、術者欄の筆頭に申請者の名前が必要です。やむを得ず複数術者が担当し、手術記録に複数の術者名が記載されている場合は、申請者以外の術者の担当箇所を申請書類内の指定用紙に記載して提出してください。なお、高度技能専門医新規申請において、術者は手術名に示された手術の主要部分を実際に行っている必要がありますので、注意してください。

    3)術者として申請する症例の手術記録(写)は、申請者自身が記載した手術所見(術式決定の理由も明記する)および手術スケッチが必要です。
    スケッチについては少なくとも開腹時の腹腔内の所見、途中経過、再建図(再建が無い場合は切除終了図)を必ず記載してください。これらに加え、より詳細に記載することが望ましいです。
    また、2012年以降の症例において、スケッチが添付されておらず、ビデオからキャプチャーのみ添付された手術記録(写)については症例として認めません。Illustratorやペンタブレットでの作画は認められますが、腫瘍の位置や解剖学的情報などはコピーせず必ず症例固有の情報を記載してください。

    4)電子カルテの打ち出し設定の問題のためか、提出された手術記録の文章が途中で切れていたり、手術記録に手術日、出血量、手術時間の記載がなかったりする場合は症例として認められないので、電子カルテを打ち出す際は注意してください。

    5)電子カルテに取り込んだスケッチやシェーマについて、サムネイル表示のみの場合、内容の判断ができず、スケッチとして認められず対象症例とならない場合があります。サムネイル表示されている画像と同じスケッチやシェーマの原本のコピーを必ず一緒に提出してください。

    6)亜区域切除症例に添付する術中写真について、写真が小さい、不鮮明などの理由で内容が判別できない場合には、術中写真として認められず、症例としてもカウントされません。

    7)手術記録(写)の提出にあたっては、細則第16条を必ず確認してください。

過去の非認定理由

  • 修練期間外の症例が含まれており、規定の症例数を満たさないため。
  • スケッチの記載内容が乏しいため。
  • 前図・終了時のスケッチがないなどスケッチとして認められないため。
  • 手術記録(写)の記載内容が写真をメインとして構成されており、切除時の所見が写真のみでコメントがない場合もあるなど、十分なスケッチが記載されていない症例については症例として認められないため。
  • スケッチに腫瘍の位置や、切離位置、血管の位置など固有の情報が記載されておらず、スケッチとして認められないため。
  • 複数の症例においてスケッチの内容が同一のものであると判断されたため。
  • 膵体尾部切除術でD2郭清がされているかどうか記載が無い症例が認められ症例としてカウントされず規定の症例数を満たさないため。
  • 提出された手術記録(写)が実際に使用されているカルテの写しであるか否かの判断ができなかったため、症例としてカウントされず規定の症例数を満たさないため。
  • 手術記録(写)の内容が不足しており、高難度肝胆膵外科手術であるか否かの判断ができなかったため、症例としてカウントされず規定の症例数を満たさないため。
  • 手術の適応、術式の決定についての術前評価の記載が無く、本術式の適応が正当なのかどうかの判断ができない。また、手術適応に問題があると判断された症例が複数有り、規定の症例数を満たさないため。
  • 胆嚢胆管切除+胆管消化管吻合(先天性胆道拡張症に対するもののみ)を施行したとして提出された症例において、先天性胆道拡張症との診断が明記されていないため高難度肝胆膵外科手術として認められず、症例としてカウントされず規定の症例数を満たさないため。
  • 死亡例数および死亡症例の内容から、また手術時間や出血量などの手術成績から、手術のクオリティが高度技能専門医としてふさわしくないと判断したため。
  • 手術記録(写)の記載内容(クォリティ)が高度技能専門医としてふさわしくないと判断したため。
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