日本国内の施設で行われている海外への手術応援・支援等のアウトリーチ活動の紹介
東京女子医科大学
モンゴルがんセンターを訪問し、がんセンター肝胆膵外科と協力し、その後11回のウランバートルにて日本モンゴル消化器癌シンポジウムを開催。さらに、フィリピン、モンゴル、ネパール、インド、ベトナム、ミャンマー、カザフスタン、セルビアにて講演、手術指導を行った。
2019年にはモンゴルがんセンターと協力して癌外科治療の臨床研究を推し進め、医師や専門家を育てる活動に貢献したことなどの功績が認められ、モンゴル大統領官房長官副長よりモンゴル北極星勲章を授与された。
(引用元:https://www.twmu.ac.jp/univ/news/detail.php?kbn=1&ym=201909&cd=721)
長崎大学
カザフスタンで安定した医療として生体肝移植という医療が定着する事を目的として、長崎大学チームは2012年の7月からカザフスタン、アルマティを訪れ、計10件の生体肝移植をサポートした。その後も学術協定を結んで大学院生を受け入れて、後進の指導を続けている。またジョージアの生体肝移植立上げ、ミャンマーでの手術指導・外科医の受け入れもおこなった。
(引用元:https://www.surgery2.med.nagasaki-u.ac.jp/newtopics/)
最近では2024からJICAよりボリビア ラパス4次病院(高次機能)の人材育成を依頼され、2名の外科医を半年間受け入れてトレーニングを行い、現地での厚生大臣との懇談なども行っている。
国立成育医療研究センター
2005年に国立成育医療研究センターの臓器移植プログラム立ち上げから、国内外から手術見学者を受け入れている。2015年1月から2023年末までの8年間で国内264名、海外76名の研修を実施してきた。特にエジプトなど、過去にミイラで埋葬していたイスラム教の国では、宗教的に脳死臓器移植は困難である。ミイラ作成時に心臓以外の臓器をカノッポスの壺に保管し、死後の世界を安寧に旅できるよう祈念するため、死後に臓器を摘出することは不遜であり、必然的に生体移植による臓器不全の治療が主体となるからである。
このような国々からの研修生を受け入れ、祖国での小児生体肝移植プログラム立ち上げに尽力してきた。エジプト、インドネシア、カザフスタン、サウジアラビア、ベトナム、モンゴル、カタール、インド、ネパール、パキスタン、タイ王国、中国、コスタリカ、メキシコなどで小児生体肝移植の手術指導を行ってきた。主に当センターの指導医3名で分担して海外手術指導を行っているが、若手移植外科医を1名同行し、海外の医療事情を経験してもらい、術後現地に1週間残留し術後管理及び現地での手術参加をさせて頂いている。厳しい指導と思われるかもしれないが海外施設では手術症例が集約されているため、1週間滞在で数多くの一般外科・小児外科手術が経験でき、若手外科医には大変夢のある教育プログラムだと自負している。
(引用元:https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/special/about.html)
富山大学
2024年10月、ベトナム108軍事中央病院のSong院長を含む医師団が富山大学附属病院を訪れた。ベトナム108軍事中央病院とは国際医療協定を締結し、同年4月に第二外科の藤井 努教授と渋谷和人先生がベトナム現地で講演を行った。過去には第三内科の安田一朗教授が内視鏡の指導に訪越した。
(引用元:https://toyama-surgery2.com/news/topic/56)
九州大学
2023年8月、九州大学病院の内視鏡医・外科医・放射線医・病理医・腫瘍内科医・臨床工学技士が日本モンゴル病院を訪問し、視察と医療指導を行った。この「モンゴル国における消化器疾患診療の人材育成」プロジェクトは、医療技術等国際展開推進事業として九州大学が実施している(報告レポートはこちら)。
(引用元:https://plaza.umin.ac.jp/ovex/about/project/)
国際医療福祉大学
1995年の開学以来、主にアジアを中心とする国々から留学生を受け入れ、母国の医療福祉分野を牽引するリーダーを育ててきた。なかでもベトナムとの関係は深く、同国内のホーチミン市医科薬科大学、ハノイ医科大学、フエ医科薬科大学、カントー医科薬科大学の4大学と提携。さらに、国立チョーライ病院と共同で同国初の本格的な日本式人間ドックセンター「国際医療福祉大学ドック健診センター(HECI)」を開設した。
2017年に開設した本学医学部では、ハノイ医科大学、ホーチミン市医科薬科大学、フエ医科薬科大学から累計34人の優秀な学生をIUHW医学部奨学金制度で受け入れた。特筆すべきは、6年前には全く日本語が話せない状態だったベトナム人留学生6人全員が、1~2年生の大部分の授業を英語で行い、その後は日本語での授業を行うという、世界水準のカリキュラムを乗り越え、本年3月に無事日本の医師国家資格を取得したことである。今後は毎年、将来のベトナムの医療分野に貢献する4~5人の本学医学部卒業生が医師としてベトナムに帰国する。
さらに、本学では、日越外交関係樹立50周年を記念して、2023年9月29日、国立チョーライ病院、ホーチミン市医科薬科大学との共催で「日越外交関係樹立50周年記念 国際医療協力シンポジウム」を開催した。また、医療福祉施設にて2週間の研修を受ける特別プログラムを用意し、医師、看護師、リハビリテーション職、学生など医療に携わる方々を50人、日本に招待した。ベトナムの今後を担う医療職の方々がこの特別プログラムで学ぶことが、将来の日越の医療分野における架け橋となることが期待されている。
(引用元1:https://www.iuhw.ac.jp/feature/international/cooperation.html)
(参考:2023年9月29日(金)「日越外交関係樹立50周年記念国際医療協力シンポジウム」にて、板野 理教授が発表されたスライド ”ベトナムと日本の臨床分野における理想のパートナーシップ構築を目指して”)
三重大学
三重大学大学院医学系研究科は、アジア・アフリカにある協定大学からの大学院生受け入れを行う「国費外国人留学生の優先配置を行う特別プログラム」を実施しており、2022年に第3期のプログラムが文部科学省から採択されている。
2023年6月、肝胆膵・移植外科 水野教授(Dr. Chipaila Jacksonを指導)と小児科澤田(Dr. Jane Kabweを指導)がザンビア大学を訪問し、今後の学術交流の推進に向けての協議等を行った。
(引用元: 三重大学医学部News No.191)