一般社団法人 日本肝胆膵外科学会

学会について

理事長の挨拶

更新日時:2024年7月12日

一般社団法人日本肝胆膵外科学会
理事長 大塚 将之

 広島での第36回日本肝胆膵外科学会・学術集会に際して行われた理事会にて遠藤 格先生の後任として第7代の代表理事(理事長)に選任いただきました。日本肝胆膵外科学会は、1989年に日本肝胆膵外科フォーラムとして発足し、1993年に日本肝胆膵外科学会となり、途中、2011年に法人化されて現在に至っています。本学会は先達の偉大なるご尽力により、文字通り日本の肝胆膵外科の黎明期から大きく発展を遂げてきました。現在、会員数は3,512名(2024年3月31日現在)を数え、名実ともに世界の肝胆膵外科を牽引している学会であります。このような歴史と伝統のある本学会の代表理事を拝命したことは身に余る光栄であるとともに、その重責に身の引き締まる思いでおります。

 

 本学会の理念、行動目標は、高田忠敬名誉創立者が学会ホームページに記載されているように、1. Art、2. Science、3. JHBPSの出版、4. 高度技能専門医制度の確立、5. 国際化、にあります。そのなかで、本学会の大きなミッションとして、以下の6つを掲げたいと思います。

  1. 安全・確実に手術を行い、かつ管理ができる肝胆膵外科医の育成
    2004年に高度技能専門医制度の創設が宣言され、危険性の高い術式が多い肝胆膵の「高難度の手術を安全・確実に行うことができる外科医師を育てる」という趣旨のもと、2008年に発足、2023年までに高度技能専門医が587名、高度技能指導医が447名となり、全国に配置され、高度技能専門医修練施設Aは139施設、修練施設Bは303施設となっております。これらの施設からは毎年手術死亡率を学会に報告することを義務付けており、その結果、手術死亡率は年々低下し、90-day mortalityは、いまや1%をきる、という世界に誇れる成績を達成しています。今後は周術期管理にも目を向け、患者Firstの公益性を最重要視して、安全・確実に手術を行い、かつ管理ができる肝胆膵外科医の育成に取り組むとともに、この成果を社会にむけても発信していきたい、と考えています。
     
  2. Journal of Hepato-Biliary-Pancreatic Science (JHBPS)の発展
    JHBPSは「日本で創出されたエビデンスを世界に向けて発信する」ことを目指して1993年に創刊されました。インパクトファクター登録時は1点台であったものが、2023年には3.2点となりました。しかし、もっと高いインパクトファクターを有する外科系journalも当然ながら存在し、投稿者はそちらに目をむけがちです。「日本で創出されたエビデンスを世界に向けて発信する」という当初の目標に向けて、世界の一流誌に育てていく、さらなる努力が必要と感じています。JHBPSは本学会のofficial journalということを会員のみなさまに再認識していただき、会員全員で育てていこう、という意識をもっていただきたいです。
     
  3. プロジェクト研究体制の強化・拡充
    近年、日本の研究力や発信力の低下が指摘されています。JHBPSでもhigh citationの論文が日本以外から、ということも少なくありません。日本の単施設では症例数も少なく、エビデンスの高い研究は難しくなってきていますので、学会主導のプロジェクト研究は日本の国際的プレゼンスを向上させる上でも重要と考えています。ガイドラインの作成も含め、胆道癌登録を用いた研究、学術集会でのトピックス研究、若手主導の研究などを推進していきます。また、大腸癌研究会と共同で大腸癌肝転移データベースも構築し、利用できるようにしています。
     
  4. さらなる国際化の推進
    国際化は本学会設立時の理念でもあります。また、本学会は世界肝胆膵学会議(IHPBA)の支部(Japan Chapter)としても活動しています。IHPBAやアジア太平洋肝胆膵学会議(A-PHPBA)といった組織ともさらなる交流を深め、国際学会においても日本からのすぐれた研究成果を発信し、プレゼンスの向上に努めます。Japan HPB passport membershipにも参加をお願いします。また、日本はアジアの一国です。アジアの発展途上国へのoutreachにも力を入れ、アジアでのプレゼンスも高めていきます。そのための支援ができるような仕組みも考えていきます。
     
  5. 魅力ある学術集会
    国際化の理念のもと、2017年より学術集会は完全英語化されました。英語化の是非については賛否両論ありますが、学術集会の本質は、重要な学術活動の場である、ということです。質の高い議論ができるかどうか、これは決して英語化だけの問題ではないと考えます。国際化と質の高さの両立を目指すこと、簡単ではありませんが議論を重ねてより良い方向に向かうよう努力を続けます。会員のみなさまが参加したいと思えるような魅力ある学術集会を目指して、学術集会会長とともに取り組んで参ります。
     
  6. 若手肝胆膵外科医の活躍・多様性の推進
    若手がいきいきとして活躍することは学会の活性化につながります。遠藤 格 前理事長のもと、調 憲 前副理事長を顧問として、Next Generation Project (NGP)が発足し、45歳以下の会員が中心となって“肝胆膵外科の明るい未来”を目指して活動をしています。日本そして世界の肝胆膵外科の発展を担える若手の育成は重要課題であり、若手が活躍できるようなプラットフォームの提供、本学会活動への参画を推進して参ります。また、いまやダイバーシティーの推進はあらゆる社会活動で求められています。男女にかぎらず、多様な背景を持つ肝胆膵外科医が活躍できるような環境整備のための努力を続け、学会運営への参画も積極的にすすめていきます。
     

 以上、いろいろと述べてまいりましたが、これらはこれまで代々の理事長・役員・評議員・会員の先生方の、なみなみならぬご努力で積み上がられてきた実績に基づくものです。その上で、学会運営における透明性・公平性を重視し、より成熟した、持続可能な学会へと発展するよう、また、社会へ、そしてなによりも患者のために貢献できるよう、役員・会員のみなさまとともに粉骨砕身、努力して参る所存でございます。ご支援、ご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

2024年7月7日

PAGE TOP