一般社団法人 日本肝胆膵外科学会

学会について

名誉創立者の挨拶

更新日時:2017年1月12日

一般社団法人日本肝胆膵外科学会
名誉創立者 高田忠敬

謹啓

 2012年5月31日、第24回日本肝胆膵外科学会・学術集会(大阪)の社員総会において、私、高田 忠敬は、理事長を退任し、名誉創立者・名誉理事長の称号をいただき、誠に感謝の念に堪えない次第であります。
 1988年に、「肝臓・胆道・膵臓外科を統一した学会を立ち上げ、この分野に従事している専門家、さらに、専門家を目指す外科医による学会を組織する」ことで話し合い、1989年、第1回日本肝胆膵外科フォーラムとして発足いたしました。1993年には、日本肝胆膵外科学会(JSHBPS)と名称が変更し、今日に至っています。

I.学会の運営ならびに行動目標

  1. Art:
    Artの発展と普及に努力し、高度の技能の習得の場とすることを心がける。
  2. Science:
    より高いscientific valueを持った学会にすべく努力を続ける。
    研究発表にとどまらず、各種のプロジェクト研究を行う。
  3. JHBPSの出版:
    「世界への発信と交流」を標語として、邦文機関誌を持たない。
    当時、大変珍しかったが、英文のOfficial Journal (JHBPS: Journal of Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery, その後、SurgeryがSciencesに変更した)を発刊した。
  4. 高度技能専門医制度の確立:
    高難度の肝胆膵外科手術を、認定された施設で、認定された指導医のもとに、規定された手術の執刀を行い、安全、かつ、確実に手術を行いうる外科医を育成し、認定する。
  5. 国際化:
    日本―韓国、日本―台湾共同プロジェクト研究のみならず、さらにアジア・パシフィック地域との共同研究や交流を図るようにする。
    国際化の一環として、学会の英語化を進めていく。

II.JHBPS発刊からの経過

  1. 1993年、邦文誌を持たない英文機関誌 JHBPSの発刊が始まった。2011年のImpact Factorは、2.099であった。

III.学会の国際化

  1. Observership:
    1993年、Tokyoで開催されたInternational symposium on Pancreatoduodenectomyを契機に、Professor Traverso (Seattle, USA),Professor Reber (UCLA, USA)と交流が始まり、さらに、Professor Sarr (Mayo Clinic, USA)も加わり、1997年から留学制度が開始した。
  2. 5th World Congress of IHPBA, Tokyo
    2002年、日本学術会議が主催で日本肝胆膵外科学会が後援団体ということでInternational Hepato-Pancreato-Biliary Association(IHPBA)が東京で開催となり、私、高田がConvenorを務めた。
  3. A-P HPBAへの道のり:
    1991年、Asian Society of HBP Surgery (ASHBPS)が発足 (President:Takada), BangkokにおいてProfessor Thamanoon Bariyapongsが会長で開催
    著書:New Frontiers in Hepato-Biliary-Pancreatic SurgeryをBangkok Medical Publisher, Thailandから出版した。
    2004年までBi-annual meetingが行われ、2006年にIHPBAと合流し、Asian-Pacific HPBA (A-P HPBA)と名称を変更した。高田がFounder Presidentとなり、田中雅夫が会長を務めた。
  4. Japan Chapter of IHPBA/A-P HPBAの誕生:
    2011年、IHPBAにおける日本人の会員の激減が報告された。
    対策として、担当として國土典宏をDirectorとし、会員増加を呼び掛けた。2012年6月にはUSAに次ぐ第二位の会員数となった。

IV.高度技能専門医制度の誕生

  1. 2004年、第16回学会(大阪)で、この学会に専門医制度を置くことを宣言。
  2. 2010年、肝胆膵高難度外科手術を、安全に、かつ、確実に行いうる実力を有していることが専門医としての必須条件であるので、そのお手本になる手術書を出版した。Highly advanced surgery in the hepatobiliary and pancreatic fieldは、邦文版、英文版(JHBPS Vol. 19, No. 1-3, 2012), 韓国語版が出版されている。
  3. 2011年、第23回学会にて、初めての専門医 12名が誕生し、2012年第24回学会では20名、2013年第25回学会では30名、そして2014年第26回学会では31名が専門医となった。

V. 日本胆道外科研究会との合併

  1. 2005年、日本胆道外科研究会と合併。

VI.規約改定等の事業の推進

  1. 2005年、胆道癌取扱規約第5版の改訂作業が始まった。
  2. 2005年、胆道癌登録事業
    Biliary tract cancer statistic registry in Japan (JHBPS, Vol. 16, No. 1, 2009)の出版。
  3. 胆道癌診療ガイドラインの出版:2007年に邦文出版。
    Clinical practice guidelines for the management of biliary tract and ampullary carcinoma (JHBPS , Vol. 15, No. 1, 2008)の出版。
  4. 2011年、Perihilar cholangiocarcinomaの取扱委員会の立ち上げと出版準備。
  5. 2013年、胆道癌取扱規約第6版の出版。
  6. 2014年、胆道癌診療ガイドライン改訂第2版の出版。
  7. 2015年、Classification of biliary tract cancers established by Japanese Society of Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery: 3rd English edition(JHBPS, Vol.22, No.3, 2015)の出版。
  8. 2015年、Clinical practice guidelines for management of biliary tract cancers: the 2nd English edition(JHBPS. Vol.22, No.4, 2015)の出版。

VII.国際ガイドラインの作成と出版

  1. 2005年「科学的根拠に基づく急性胆管炎・急性胆嚢炎の診療ガイドライン」を出版した。
    この事業において、エビデンスが少ないことに気づいた。また、国際的な診断基準も存在していないので、Saint Louis, USAのProfessor Steven StrasbergならびにIHPBAの専門家たちと相談し、エビデンスの足りないところは、専門家のコンセンサスで補うこととなり2006年にInternational Consensus Meeting, Tokyoを開催し、Tokyo Guidelines (JHBPS Vol. 14, No. 1, 2007)を出版した。
  2. 出版後、実際の臨床例にあてはめてみると、診断率のsensitivityが低いこと、重症度判定が臨床の現場にそぐわないこと、さらに、広く用いられていたCharcot's triadがsensitivityが低く、かつ、false positiveが多いなどの問題があることが分かった。
    そこで、2010年以降、国際的にTokyo Guidelines Revission Committeeを組織し、2013年2月には改訂版 TG13が出版された。

VIII.国際ガイドラインの作成と出版

  1. 2008年以降、学会主導で肝・胆・膵領域に分け多施設共同のプロジェクト研究がなされ、すでに英文論文が刊行されている。
  2. 2011年からは、日―韓共同研究、日―台湾共同研究が立ちあげられ、第24回学会で草案が発表された。これまでも、頻回に意見交換、会議を催しており、今後もこの共同研究に力を入れていく。

IX.国際化へのステップ

  1. 第24回学会(大阪)では国際化へのステップとして、日―韓共同研究、日―台湾共同プロジェクト研究に関するセミナーが学会プログラムに入れられた。また、いくつかのInternational sessionsが英語で行われた。
  2. 第25回学会(宇都宮)では、slideならびにposter表記、video sessionはすべて英語で行われた。国際symposiumも英語で行われた。
  3. 第26回学会(和歌山)では、プログラムの約40%が英語で行われた。第28回A-PHPBA&JSHBPS合同開催の学会(横浜)までにプログラムの完全英語化を目指す。

*今後、この学会が国際的にも重視されるには、英語化が重要であります。
 皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

謹白

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